公開日:2023年5月29日
地震や台風などの自然災害が多い昨今、「被害に遭ったら大変だから、火災保険の自然災害保障に入っておかなければ」と思う人が増えているようです。
火災保険といえば、まず誰もが思い浮かべるのが、民間の保険会社です。
たしかに保障内容は充実しているのですが、残念ながら保険料がお高い!
「もっと気軽に入れる災害保障は無いだろうか?」と探していると、必ず目にするのが【共済】の文字です。
全労済や県民共済など、様々な共済で自然災害の保障を行っていますが、その中の一つにJA共済の「建物更生共済」があります。
今回は、この建物更生共済に入るメリット・デメリットがあるのか?JA共済の建物更生共済と民間の火災保険はどこが違うのか?などについてお話していきたいと思います。
もちろん農家でなくてもJA共済への加入はできます。
加入している火災保険を活用しての資金捻出をエミールでは行っております。
JA共済の「建物更生共済」とは?
JA共済は、言わずもしれたJA(農業共同組合)が運営する共済で、全国各地にJAに窓口を持っています。
共済なので、「お金を払ってくれたら、災害が起こった際に保険会社が保障します」
という営利目的の民間保険会社とは考えが異なり、
「みんなでお金を集めて、困ったときに助け合いましょう」という相互扶助の考えに基づいています。
JA共済には「ひと」「いえ」「くるま」に関する保障があり、その中の「いえ」の部分にあたるのが、「建物更生共済」です。
「でも、JA共済は農家の組合員の人が入る共済だから、一般の人は入れれないのでは?」と思っている人もいると思いますが、
そんなことはありません。
一般の人でも「準組合員」という形で共済に加入でき、保障を受けることができます。
「建物更生共済」のメリット
JA共済の商品の中から「いえ」として加入できる商品は2つです。
1つが火災保険のみ。そしてご紹介する「建物更生共済」通称タテコウムテキです。
①火災保険から地震・台風・水漏れ・盗難・怪我・まで幅広い保障がついている
「建物更生共済」は、火災はもちろん、
台風や大雪・落雷・竜巻・地震等の自然災害、破裂・爆発・物体の衝突・水漏れなどの損害、人のケガ・死亡までの保障するという、
幅広い保障があるのが特徴です。災害が発生した時に、建物だけでなく怪我をした人に対してもお金が支払われるというのは、JAの懐の深さを感じます。
②積立型なので、保障期間が満了したら満期共済金が受けられる
JA共済の「建物更生共済」の最も大きなメリットは、積立型なので保障期間が満了したら満期保険金が受けられることです。
更に、契約期間中に「修理費共済金」としてボーナスを受け取れるプランもありますが、その分満期保険金は少なくなるので気をつけましょう。
修理費共済金は、「家が傷んできたときの修理やリフォーム費用に使いたい」といった使い方をする人が多いようです。
また、途中で解約した場合には、「解約返戻金」をもらうこともできます。
当然ながら満期保険金よりは受取額が減りますが、返戻金をもらえるというだけでもありがたいものです。
通常の火災保険は掛け捨てが当たり前なので、「せっかく自然災害の保険に入っても、自宅が災害に遭わなければ支払い損になってしまう」と思っている人にとって、「建物更生共済」はちょっと魅力的は共済ですね。
③地震保険がついているから、地震災害への備えにもなる
30年以内にかなりの確率で来ると言われ続けている大地震。
それに何かと備えたいとは思うものの、「地震保険は高いから」と二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか?
その点、JA共済の建物更生共済なら、地震保険もついているので、大地震が来たときも安心です。
ただし、火災や落雷・台風・洪水・豪雨などの被害は、火災共済金がそのまま限度額になりますが、地震保険の場合は共済金額の50%が限度額になります。
「半分の金額をもらっても、家は立て直せない」と思う人もいるかも知れません。
確かに、そのとおりです。
ただし、これはJAだけではなく、政府が決定した地震保険そのものがそういう仕組みになっているのです。
ごく一部の保険では、特約と合わせて100%の保障になる場合もありますが、通常の地震保険は、「地震保険だけでは家は直せない」と思っておいたほうがいいでしょう。
地震災害というものは、政府が関与しても半分しか保障できないほど、被害が大規模だということです。
保険の保障以外に、国や地方自治体から数百万円のお見舞金は出ますが、それに足しても立て直しができる金額にはいたらないでしょう。
とはいえ、全く保障が無いのと、半分でも保障が受けられるのとでは、雲泥の差です。
JA共済の建物更生共済に地震保険が付いているのは、かなり大きなメリットといえます。
「建物更生共済」に入っている方は、地震保険申請を忘れずに!
■せっかく受けられる地震保障、請求漏れのないように注意を
せっかく保障は充実した「建物更生共済」に入っていながら、逆に保証内容がたくさんあるために、地震保険の申請を忘れてしまう人がいるようです。
JA共済の「建物更生共済」の保障は、火災や竜巻・台風などの災害だけではありません。
万が一地震に見舞われたときにも、地震保険の保障が受けられるので、申請を忘れないようにしましょう!
■保険の請求に関しては、エミールがお手伝いします!
ご相談いただければ、高い技術力を持つ職人を診断し調査報告書や保険申請書の書類を作成します。
お客様が加入している保険を正しく適応できるよう、お手伝いしますので、被害に心当たりのある方はお気軽にご相談ください。
もちろん、竜巻や台風なども自然災害の場合も、ご相談いただけます。
JA共済は建物だけでなく、家財の保障も付いているので、くれぐれも請求漏れのないようにしましょう。
■直接保険会社に問い合わせるよりも、保障額がアップする可能性あり
最近では保険会社が保険金を払い渋る傾向にあり、自分で直接保険会社に問い合わせると、厳しい査定を受けてしまうケースも少なくありません。
その点に関しても最善の努力をさせていただきます。
保険請求に詳しいエミールのスタッフが保険会社の担当者と直接交渉し、保障額が増えたケースも多くあります。
④建物の保険なのに、ケガの保障まで付いているのは嬉しい
一般的に住まいに関する保険は、住宅の被害に対して保障されるので、被害に遭った人がケガをしても保障は受けられません。
その点、JA共済の「建物更生共済」は契約した建物が火災や自然災害に遭って死亡・後遺障害・治療・手術などの事態になった場合は「障害共済金」が支払われます。
自然災害にはケガが付きものなので、障害共済金が支払われるのは本当に嬉しい点ですね。
死亡や後遺障害の場合は、火災共済金額の30%が支払われます。
入院はもちろん、30日以上の通院による治療でも、1人につき30万円が支払われるという手厚さです。
⑤JAというしっかりとした母体のあるのも、安心材料になる
JA共済は、全国に組織を持つ、JAが母体にあるので、めったなことで潰れることはありません。
これは10年間~30年間といった、長い保障を契約する人にとって、大きな安心材料になります。
もちろん、「これからの世の中、何が起こるかは誰にもわからない」という前提付きですが。
実際に東日本大震災のときも、全労済は保険金の支払いにかなり時間がかかったようですが、
JA共済の支払いはスムーズだったようです。その辺も、組織の規模の違いが表れているといえます。
「建物更生共済」と民間の保険とは、どこが違う?
■最長30年までの長期保障が受けられる
以前は火災保険といえば30年以上の長期保障が当たり前でしたが、ここ数年は災害の増加によって民間の保険会社も支払い状況が厳しく、長期にわたる契約はせいぜい10年までに留まっています。
その点JA共済の「建物更生共済」は、30年間の長期保障が受けられるようになっています。
今後自然災害が増えると、保険料は上がる傾向にあるので、30年先までの保険料を現時点で設定できるのはメリットと言えるでしょう。
■契約したJAが潰れても、他のJAがカバーしてくれる
JAという組織は、公共の組織だと思っている人もいるようですが、実はれっきとした民間企業です。
株式会社や有限会社と同じように、協同組合という企業の形式があるだけで、一般企業と同じように潰れるということもあり得ます。
ただし、JA共済の場合は契約したJAが潰れてしまっても、他のJAが拾ってくれるという安心感があります。
JA全体の経営状況が今後どうなるかというのは、若干不安が残りますが、何があっても、他のJAが守ってくれるというのは嬉しい限りです。
■建物や家財の他に、「特定建築物」の保障もある
一般の人にはまったく関係ないかもしれませんが、JA共済の「建物更生共済」は畜舎・堆肥舎などの「特定建築物」も保障してくれます。
まさにJAらしさを感じさせる保障ですね。
「建物更生共済」のデメリット
①ズバリ、月々の支払額が高い
JA共済のホームページにある掛金シミュレーションをやってみるとわかりますが、
「建物更生共済」は満期保険金がある分、月々の支払額がかなり高めです。
②保障範囲が建物のみで、敷地の保障がついていない
民間の保険会社の多くは、建物保障を行う際に敷地の保障もついていますが、JA共済にはそれがありません。
そのため、「台風がきて物置が壊れてしまった」というような場面、民間の保険会社は保障をしますが、JA共済の保障はありません。
※この情報を知っていれば加入時や更新時に【門扉・門塀を含める】箇所にチェックを入れれば少額の掛け金で保障がつけられます。
是非最寄りのJA支店に相談してみてください。
③支払い額が高額になる場合、全共連の判断が必要になる
民間の保険会社は、保険の支払額がいくらであろうが保険会社の裁量で判断することができますが、JA共済はそういうわけにはいきません。
支払額が高額になる場合、「全共連」というJAを統括する団体の判断を仰がなければなりません。
④5年間は解約できない
民間の保険会社は1年から契約できますが、JA共済の「建物更生共済」は、最初の5年間は解約できません。
「生活が苦しくなったから、建物更生共済を止めたい」と思っても、5年間は解約できないので、その辺は覚悟して契約をする必要があります。
結局のところ、「建物更生共済」と民間の保険は、どちらがオトクなのか?
■「建物更生共済」には自動付帯されている共済金も多く、どちらがオトクかは言い難い
さて、結局のところ、JA共済の「建物更生共済」と民間の火災保険とでは、どちらがオトクなのでしょうか?これは正直、どちらとも言い難いものがあります。
「JA共済は支払額が高いから、入るのを止めた」という人はとても多いのですが、
建物更生共済には被災後の生活を支えるための「臨時費用共済金」や、
損害が80%以上に及んだ時の「特別費用共済金」、
家財の残骸などを片付けてくれる「残存物とりかたづけ費用共済金」など、
きめ細かい共済金が数多く自動付帯されています。
■民間の保険会社ではかなり高額になる水災の保障もついている
さらに、建物更生共済には民間の保険会社ではかなり高額になる水災の保障が普通に付いているので、
いちがいに「JA共済の建物更生共済は高い」とは言えないところがあります。
JA共済と他の火災保険を比べるときは、JA共済の「満期保険金」の部分を差し引いて、
実質の支払額がいくらなのかを算定する必要があります。
さらに、「台風に遭ったら実際にいくらの保障が出るのか?」
「火災保険に水災保障を付けると、支払額はいくらになるのか?」
といった、細かいシミュレーションをしてみることをお勧めします。
その上で民間の保険会社との比較をすると、どちらを選ぶべきかが鮮明に見えてくるでしょう。
民間の保険会社は台風損害での査定で鑑定会社を入れて査定を厳しくしますが、
共済は各支店が窓口となりますのでこの点に関しても良し・悪しがあります。
JA共済の「建物更生共済」まとめ
いくつかある共済組合の建物保障の中でも、JA共済の「建物更生共済」は、災害に遭った後のご家族をしっかりと支えてくれる保障といえます。
ただし、支払う金額が高額なので、そこがネックといえばネックといえるでしょう。
しかしながら、水災や地震などが多発している昨今、
JA共済の「建物更生共済」のように地震までカバーしてくれる保険に入ることは、生活を守る上でとても重要です。
民間の保険会社に入るかJA共済に入るかというのは、
非常に悩むところですが、ご自身の支払い可能額を踏まえてベストの選択をすると良いでしょう。
エミールでは、無料調査を行っております。
調査~工事まで一貫サポートを行っておりますが、昨今のコロナ禍でお金を残す選択の人が増えております。
被害に心当たりがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。